実生にハマり始めて9ヶ月。
振り返ってみるとパキポディウムやアデニウム、アガベなど約60種類・1000粒以上の種を蒔いたのだな~としみじみ感じているマサです!
最近、実生のやり方も安定してきたので、今回は「実生の様子」と「管理方法」に僕が意識しているポイントも追加して書いていこうと思います。
パキポディウムの発芽率が安定してきた
アデニウムやアガベ、ディスコレアやフォークイエリアなど色々と実生をやってきたのですが、実生を始めた頃は特ににパキポディウムの発芽率が悪い状態でした。
発芽しても途中でダメになっちゃったり、カビが生えたり、そもそも動きも無かったり…
「同じ環境なのになんで?」と以前は色々と悩みましたが、試行錯誤を繰り返し、今は特に悩むことはなく実生しています。
またやり方も大事ですが、一番大きい要因は種の鮮度です。種の鮮度についての詳細は後述します。
今回書いていく実生のやり方はパキポディウムの実生なのですが、アデニウムやアガベなども大体同じやり方をしています。
また一緒にアデニア・グロボーサの実生もしました。グロボーサは初チャレンジです。
今回、実生した植物と発芽率はコチラ。アデニア・グロボーサは発芽まで時間がかかるようなのでしばらくお待ちください。
- パキポディウム・ロスラーツム:85%(2週間)
- アデニア・グロボーサ:%
パキポディウムとアデニア・グロボーサの実生のやり方
アデニア・グロボーサの種
準備したもの
- プレステラ105型
- 赤玉土
- 日向土
- ゼオライト
- バーミキュライト
- GFベンレート水和剤(消毒薬)
- メネデール(活力剤)
- マグアンプ中粒(緩効性肥料)
- 腰水用の容器
種まきの流れ
step
1溶液を作る
GFベンレート0.5gを1ℓの水と混ぜて2000倍の溶液を作る。
メネデール10mlを1ℓの水と混ぜて100倍の溶液を作る。
step
2種を溶液に浸ける
①で作ったベンレート液とメネデール液を1:1で混ぜた溶液に種を入れ、10時間ほど浸けておく。
step
3土を作る
赤玉土、日向土をそれぞれふるいにかける。
写真だと一緒にふるいにかけてますが、土によってふるいの目の細かさを変えた方が良いです。
微塵を落とした後、赤玉土5:日向土4:ゼオライト1で混ぜる。
step
4鉢の準備
プレステラ105型に③の用土を2㎝入れる。
上からマグアンプを一つまみ、散らす。
さらに③の用土を入れる。
あとでバーミキュライトを入れるので、上から1㎝くらいは空けておく。
step
5用土を熱湯で消毒・殺菌
④の鉢に熱湯をかけて消毒・殺菌します。
土が冷めるまで放置し、ある程度冷めたら水をかける。鉢の下から出てくる水が濁らなくなるまで。
step
6加熱消毒したバーミキュライトを入れる
バーミキュライトをレンジで加熱消毒する。
バーミキュライトが熱くなるまで加熱できればOKですが、火が出ると困るので様子を見ながら加熱してください。
冷めたバーミキュライトを⑤の鉢に入れ、霧吹きをする。
step
7種を置く
種をベンレートとメネデールの溶液から取り出し、⑥の鉢の土に置いていく。
step
7鉢を容器に入れて腰水にする
鉢を容器に入れて、腰水にする。
今回はタッパを使用します。
実生のポイント(補足)
前述した「種まきの流れ」は要点のみ書いたので、補足していきます。
そもそも「種の鮮度」が重要
パキポディウムの発芽率は種の鮮度に大きく左右されることが分かりました。
試しに同じ種を「買ってすぐに播種」と「買って半年後に播種」で分けて蒔いてみたんです。
買ってすぐに蒔いたカクチペスは90%の発芽率で健康に育ちましたが、半年後に蒔いた方の発芽率は20%。全く動きが無いものや発芽途中で溶けたりしたものもありました。
今回、蒔いたロスラーツムも入荷のお知らせの後すぐに購入。
もし狙ってる種類の種があるなら信頼できるショップで入荷したての種子を買うことをお勧めします。
僕の場合はseed stockさんかプラントブラザーズさんで買うことが多いです。
ただしショップに入荷したてでも、海外の輸入元などがどれくらいの期間ストックしているかにもよります。
そこまでは調べようがないのでseedstockさんの場合はseed stock laboで発芽報告をチェック、プラントブラザースさんも販売ページに発芽率が掲載されている場合があるのでチェックしてみてください。
用土
用土をふるいにかけた後の微塵
色々と参考にした中で「赤玉土5:日向土4:ゼオライト1」は保水性、通気性、水はけの良さからこの配合にしています。
微塵は水はけを悪くすると感じているので、ふるいにかけています。
濁りがなくなるまで水をかけるのも、微塵を落として水はけを良くする為です。
バーミキュライトは細かい土を使うことで、根が潜りやすくする為です。粒が大きいと根が固定されなくて倒れたままになってしまいます。
またバーミキュライトを後から薄く敷いているのは、上から直接水をかけると用土の中に流されてしまうからです。粒が細かく流れやすいので、湿らせたい時は霧吹きを使います。
ちなみに、タッパにバーミキュライトや赤玉土の細粒を数㎝敷いて播種する方法も試したことがありますが、この場合は発芽したら鉢に植え替えが必要です。
不精な自分としては植え替えの手間が面倒なので直接、鉢に蒔いて腰水でしばらく放置する方法で実生してます。
1鉢に蒔く種の数
僕の場合はどの植物も大体10粒以上を購入して、1鉢に5~10粒ずつくらいを目安にしています。
- 発芽率が悪い場合もあり、ある程度の数を蒔いておきたいので多めに購入
- 鉢分けまで3~5ヶ月くらい時間が欲しいので、種と種の間隔に余裕をもって実生
例えば、アデニウムや鮮度の良さそうなパキポディウムの種の場合は、発芽率が良いので理想は1鉢5粒。ただ場所の問題もあるので多くて12粒くらいまで。
アガベの場合は発芽率100%近いのですが、植物自体が小さいので25粒くらい蒔いちゃってギチギチになってから鉢を分けます。
1鉢にディッキア50粒を蒔いた時は流石にやりすぎたと思いました(笑)
腰水する容器
種まきBOX(中は違うものが入ってます)
種を蒔いたプレステラを入れて、腰水する容器ですが自分は主に2つを使い分けています。
- タッパ
- 種まきBOX
使い分けている理由は、置き場所の問題です。特に種によって変えているわけではないです。
冬など寒い時は温室で管理していて、種まきBOXだと温室に入らないんですよね。それでタッパに入れています。
ちなみにタッパは100均一の食パンのタッパが高さがあって使いやすいです。
続いて、種を蒔いた後の管理方法です。
管理方法
管理温度は20~25℃です。
ほとんどの種は、この温度で発芽しますが高温にしないと発芽率が悪い種もあります。細かい温度は植物ごとの記事を見てもらえたらと思います。
パキポディウムは好光性種子なので土で覆わず、レースカーン越しの光が当たる所に置いています。もし光を当てるのが難しい場合は水槽用のライトでもOKです。
腰水は3日に1回くらい、水を入れ替えて綺麗に保ちます。放置すると水が腐ってドブ臭くなることもあるので注意です。
霧吹きの頻度などは植物の状態によって変えているので、段階ごとに書きます。植物の状態にもよるので大体の目安です。
①発芽するまで
霧吹きの頻度は、タッパか種まきBOX、どちらを使っているかで変わります。
タッパの場合
密閉してあり湿度が保てるので、ほとんど霧吹きはしません。空気の入れ替えは、毎日様子を見る時に蓋を開けているくらいです。
種まきBOXの場合
蓋に穴があり、通気性が良い分、乾きやすいため3日に1回くらい霧吹きします。
②発芽した後(双葉)
写真はパキポディウム・レウコキサンツムです
芽が出てきて、種の殻が付いている状態。
タッパの場合
ほとんど霧吹きはしません。種の殻も湿度が保たれているせいか、勝手に取れます。
種まきBOXの場合
タッパより種の殻が取れづらいので、霧吹きの頻度を増やしています。1日1回くらいです。
殻が外れれば、また3日に1回くらいで霧吹きします。
③発芽した後(葉5、6枚)
ある程度、本葉が出揃ってきたらタッパや種まきBOXをやめて、トレーで腰水管理にします。
トレーは100均一(セリア)のキッチン整理の箱を使っています。
プレステラ105型にピッタリのサイズで、Lサイズだとプレステラ6個、Mだと3個、SSは2個、XSは1個入ります。
霧吹きは葉ダニがつかないように3日に1回くらいです。
④大きくなってきたら
ある程度、大きくなってきたら腰水を卒業します。ここからは土が乾いて3日位したら水やりにしています。
温度が20~25℃で管理できるときは、2週間に1度は液肥を与えています。(2000倍に薄めたハイポネックス)
さらに大きくなってきたら1株ずつ鉢に植え替えします。
鉢を分ける時の用土は、種まきの時に使っている「赤玉土5:日向土4:ゼオライト1」を使っています。
植物が元の鉢で元気に育っているときは元の鉢の土も入れます。
どのくらいの大きさか?という話ですが育ち具合によるので、個別の育成記録を参考にしてもらえたらと思います。
僕の場合は大体1~2ヶ月で腰水卒業、3~5ヶ月くらいで植え替えが多いのですが、植物の状態や季節(気温)、あとはスペースの問題もあるので総合的に見て判断してます。
植え替えに関しては注意点があります。
植え替えた後に植物が弱ってしまうことがよくあるので、植え替えのタイミングは植物が元気な時・一定の気温が保てる時を選んで、なるべくダメージを受けないようにします。
またタイミングやスペースの問題でしばらく植え替えができない場合もあると思いますが、以前、苗立枯病のような病気(土壌伝染性の病気)にかかってしまったこともあるので、できれば早めに鉢を分けてあげた方が良いと思います。
管理する時のポイント
管理する時のポイントは、自分が過去に失敗したために気を付けていることです。
管理する時の湿度
湿度のポイントは2つあります。
- 湿度が低いと種の殻が取れない
- 種がずぶ濡れだと腐る
まず種の殻ですが、湿度が低いと種の殻が硬くなって双葉が開けない状態になってしまう事があります。その為、種の殻が取れるまでは殻を柔らかく保てるように湿度を高く保つようにしています。
かと言って、種が水に浸っているようなズブ濡れ状態だと腐ります。以前、霧吹きのし過ぎで種を腐らせてしまったこともありました。湿っている位が丁度良いです。
カビ問題、実は種の問題?
カビ問題は、実生をやったことがある方なら経験した方も多いはず。。(と思いたい)
僕はカビに大分悩んだのですが、今では「種の問題」だと思っています。
ちゃんとした根拠があるわけではないですが、1000粒くらい種を蒔いてみて、今はそう感じてます。
カビが生える種子は播種した翌日にカビが生えてたりしますが、発芽する種子は発芽に1ヶ月かかったとしてもカビが生えません。
同じ管理方法でもカビが生えたり、生えなかったりするので今はできるだけ鮮度の良さそうな種子を購入しています。
それでもカビが生えてしまった種子は早めに取り除いています。結局、カビが生える種子は元々発芽しない種だと割り切っています。
今回の発芽率(2ヶ月後)
実生してから2ヶ月経過して生き残った数です。
こちらはまた2ヶ月後に更新します。