基本情報と育成記録 コーデックス(塊根植物)

パキポディウム・バロニーの育て方【育成記録】実生からスタート

2021年9月10日

パキポディウム・バロニーの育て方【育成記録】実生からスタート

暇になったら

当ブログは多趣味な旦那と無趣味な妻で更新している「暇ブログ」です。 「暇になったらやりたいこと」をテーマに、私たち自身が色々とやってみて「良いな、楽しいな」と感じるものや「シェアしたら人の役に立つかな?」と思ったことなどを書いています。

この記事ではパキポディウム・バロニーの基本情報や育て方のご紹介と、実生からの育成記録を書いています。

 

パキポディウム・バロニー 基本情報

基本情報

  • パキポディウム・バロニー
  • Pachypodium baronii
  • キョウチクトウ科 Apocynaceae
  • パキポディウム属 Pachypodium
  • 原産・生息地:マダガスカル北西部

 

特徴

パキポディウムは生息地や特徴別でグループがあるのですが、その中でバロニーとウィンゾリーだけのポルフィロポディウム節というグループがあります。

その特徴は赤い花で、ほとんどのパキポディウムが黄色や白の花を咲かせる中、バロニーとウィンゾリーだけ赤い花を咲かせます。
ちなみにバロニーの方がウィンゾリーより大きめに育ちます。

樹形はツボ型・トックリ型と言われ、下の方が丸く膨らみ、頂部から枝分かれして細い枝を伸ばします。

大きくなると塊根の部分の樹皮が波打つようにシワが入る、幼苗の頃からトゲが大きいなどの特徴もあり見分けやすいです。

 

バロニーはワシントン条約(CITES)では附属書Ⅰに分類されています。

 

※キョウチクトウ科には毒を持つ種があります。食べることは無いと思いますが、剪定時に手袋をしたり、小さなお子さんやペットの誤飲に注意してください。

 

パキポディウム・バロニー 育て方

ここで記載する内容は調べてみて、私たちが目安にしているものになります。

 

季節ごとの管理方法

生育期と休眠期があり、特徴がこちらです↓

  • 生育期:休眠期が終わり、新芽が出てくると生育期に入る
  • 休眠期:気温が下がって落葉すると休眠期に入る

 

年間を通して

  • 日がよく当たる場所で管理
  • 風通しを良くする
  • 水やりしすぎない(乾燥気味に育てる)

塊根植物なので幹を立派に育てる為にも日光によく当てます。

日が当たらないとヒョロヒョロと上に伸びてしまい幹が細くなるので、屋外でも室内でも日光がしっかりと当たる場所に置きます。

 

春(10~20℃)

気温が上がると生育期に入る。

置き場所:できれば屋外で、しっかり日光に当てる。

水やり:新芽が出始めたら徐々に水やりの頻度・量を増やす。

 

梅雨

梅雨の日照時間不足や湿気で土が乾かないと根腐れなどになってしまうため、土の乾燥具合を確認しながら水やりする。

置き場所:できれば屋外で、しっかり日光に当てる。

水やり:土が乾かないと蒸れてしまうので、水やりの頻度に注意。土が乾いてから2,3日置いて水をやる。

 

夏(20℃以上)

置き場所:できれば屋外で、しっかり日光に当てる。雨ざらしでもOK。

水やり:土が完全に乾いたら鉢底から水が溢れるくらい、たっぷり水やり。乾燥気味に育てるのであれば、雨のみでも可。

 

秋(10~20℃)

気温が下がってくると休眠期に入る。

置き場所:できれば屋外で、しっかり日光に当てる。

水やり:落葉し始めたら徐々に水やりの頻度・量を減らす。

 

冬(15℃以下)

置き場所:気温が15℃以上を保てる場所で管理

水やり:断水。ただし実生した苗など場合は、月1回根が湿るくらいの水やりをする。

 

自生地の環境

バロニーの自生地はマダガスカルの北西部。

マダガスカルは夏の雨季と冬の乾季があるのですが、東側と西側で降水量が変わり、気候区分が違います。

 

ベファンドリアナからマンドリツァラのを参考にしたかったのですが中間部分で気候がよく分かりませんでした。

マンドリツァラはサバナ気候のような見た目で、雨季はあっても乾燥して樹木が育たないような環境です。

①沿岸部は蒸し暑い熱帯性気候

年間平均気温:23℃(17~30℃)、年間降水量は3400㎜程。
雨季(暑):22~30℃、降水量は約2100㎜
乾季(寒):17~25℃、降水量は約1300㎜

②内陸部の高地は温暖な気候

年間平均気温:19℃(14~24℃)、年間降水量は1400㎜程。
雨季(暑):17~27℃、降水量は約1300㎜
乾季(寒):7~20℃、降水量は約100㎜

③南西部は半砂漠で乾燥した気候

年間平均気温:24℃(18~29℃)、年間降水量は420㎜程。
雨季(暑):22~32℃、降水量は約360㎜
乾季(寒):14~27℃、降水量は約60㎜

日本(東京)は温暖湿潤気候(Cfa)年間平均気温:16℃(2~35℃)で年間降水量は1470㎜程。

 

バロニーは「どうやって生えているんだろう?」と疑問に思ってしまうような岩場の上に自生しているものと、土に自生しているものがあります。

土から生えているものは木のような見た目で、背も高くあまり塊根植物っぽくないですが

岩の上で自生しているバロニーは背が低くコーデックスらしい塊根を持っています。

 

耐性

  • 耐暑・耐寒:暑さには強いが、寒さには弱い。
  • 耐陰性:耐陰性は不明だが、元気に育てる為には日光が必須。
  • 乾燥・湿気:乾燥を好む。土がずっと乾かないなどのジメジメした状態はNG

 

パキポディウム・バロニー 実生について

パキポディウムは基本的に25~30℃で管理。直射日光には当てず、日が入る明るい所に置いています。

発芽するまではタッパなどの容器に入れて腰水にし、多湿にしています。

腰水をやめるタイミングや植替えなどは様子を見ながらやっているので、経過を見てもらえたらと思います。

 

バロニーについては発芽が遅いということで色々試してみました。

育成記録にも少し書いていますが、詳細は別記事にて書きました。

 

パキポディウム・バロニー 育成記録

2021年9月
24粒を実生
22日経過で15粒発芽

最近の状況から見たい方はコチラをクリック
(記事の一番下に飛びます)

 

2021年9月 バロニーの種を購入

パキポディウム・バロニー 種

勢いで購入したは良いけど、秋になってしまった今、タイミング的にどうなんだろうかと…

「買うだけ買って春まで待つべきか?」なんて考えましたが、種の鮮度を保ったまま保管できるわけでもないので入荷したての活きの良い状態で播種してみることにしました。

種は24粒あったので10粒くらいは発芽してもらいたいところです。

 

2021年9月8日 播種

パキポディウム・バロニー 播種

パキポディウム・バロニーは他のパキポディウムよりも発芽に時間が掛かるようです。

試しに2つの容器に分けてみることに。

  1. アクリルの板で密閉してしばらく湿度MAX
  2. 種蒔きBOXの蓋にいれて蓋をする。時々開放したりしてたまに風を通してカビがなるべく発生しないようにしてみる

温度は両方とも27~30℃くらいを保ってみます。

 

2021年9月15日 2粒発芽

パキポディウム・バロニー 2粒発芽

実生開始から3日目にプラケースからプレステラに変更しました。

発芽したのは7日目です。

①も②も同時に1粒づつ発芽しました。

 

パキポディウム・バロニー 発芽

こちらが播種から3日間、湿度MAXだった鉢①で管理した種です。

 

パキポディウム・バロニー 発芽

こちらが蓋をがっちり閉めずに少し通気性を上げた鉢②で管理した種です。

ひとまず2つ発芽したのでちょっと安心。

 

でも疑問も残ります。

一晩ベンレートとメネデールに漬けた後は種子が乾燥しない程度にしておけばいいのか?

発芽まで一週間は普通なのか?

 

あとなぜかバロニーはカビ発生しません。

13日から実生を始めたサキュレンタムやエブレネウムは実生から2日でぼちぼちカビが生えてきているのに、バロニーは1週間経ってもどちらの鉢にもカビは一切発生してないんです。

カビが発生しないのは嬉しいことなのですが、なんとも不思議です。

 

2021年9月17日 根無しで発芽する種

パキポディウム・バロニー 播種から9日目

3粒目が発芽しましたが根無しでした。

 

パキポディウム・バロニー 根無し発芽

拡大した写真がこちら(右下の方です)

 

実生をやっていると、同じ様に根無しでの発芽があります。

アガベ・モンタナに至っては真っ白い個体がいたり、アデニウム・オベスムは色の薄いのが出てきたりと結構、変なのが出てくることを知りました。

この根が無いのはすぐに枯れてしまうんでノーカウントです。

 

2021年9月20日 根が無くてダメかと思ったら

パキポディウム・バロニー 発芽 根無し

根が無くてダメそうだった苗を放置してたらニョキっと生えてきました!

葉の裏側が茶色になってきてたのでもう完全に終わったかなと思っていましたがバッチリ生えてきました。

一応これで3個目の発芽です。

葉の形がゆがんでいるのが少し気になりますが多分、大丈夫でしょう。

 

2021年9月20日 場所を移動

パキポディウム・バロニー 屋外で加温

なかなか種に変化が無いので今日は変化を与えてみようと思い、南側の屋外に出してみます。

天気良すぎて直射日光は流石にヤバいと思ったので、日差しに強そうな観葉植物を並べて生垣を作り、木漏れ日を演出。

きっとバロニーの種も気に入ってくれるはず!

夜は室内に戻します。

 

パキポディウム・バロニー 地温40℃

少し放置して様子を見に行くと地温が40℃近くまで上がっていました。木漏れ日でも結構、温度が上がるんですね。

 

パキポディウム・バロニー 地温35℃に調整

ちょっと焦ってアクリル板を少し開けてて35℃くらいを保てるようにしました。

 

2021年9月21日 播種から13日目 5個目が発芽

パキポディウム・バロニー 地温35℃ 発芽

昨日に引き続き、今日も木漏れ日浴をさせようと屋外に出してみると、白い根をニョキっと出してる種が2個ありました。

時間が経って芽が出たのか、昨日の木漏れ日浴で40℃近くまで地温が上がってスイッチが入ったのかは全然わかりませんが、とりあえず昨日と同じような感じで続けてみます。

秋ですが天気の良い日を狙って木漏れ日浴作戦続行です!

 

いやーパキポディウム・バロニーは目標の5個発芽達成できそうで良かった!

でも、もう播種から13日も経ちます。

まだ腐ってなさそうな種が結構あるので今後に期待です。

 

2021年9月23日 播種から15日目 バロニーの種どんどん発芽

パキポディウム・バロニー 加温したら発芽率が上がった

1つ目の鉢 動きのある種が4個。

 

パキポディウム・バロニー 地温35℃ 発芽率が上がった

2つ目の鉢 動きのある種が4個

 

パキポディウム・バロニー 播種から15日目

先に発芽していた2株は別の鉢に移しました。

動きがあったのは全部で10個、健全に育ってくれ!

 

今日は凄く暑かったけど木漏れ日浴させました。

中途半端に載せているアクリル板なのですが、夜寝てるうちに芽が伸びて頭ぶつけそうなので今夜から夜は開けっ放しにします。

まだ寝ている他の種も動いてほしいです。

 

2021年9月25日 播種から17日目 発芽11個目

パキポディウム・バロニー 11個発芽

これから天気が悪そうなので屋外に出して地温を上げられなそう。

まだ発芽しそうな種子があるので温室に移動してじっくり待ってみます。

 

パキポディウム・バロニー 根無しの芽の様子

根が無かったバロニーですが、ちゃんと生えてきてるようですがまだ根らしきものは生えてませんでした。

それともう一つ根が生えてないのがありました。

11個中2個が根無しです。でもこれって植えとけば根っこ生えてくるんですかね…

 

パキポディウム・バロニー 実生 芽

双葉が揃ったバロニーは順次、移し替えています。今のところ無事に移し替えが終わった4個のバロニー。

他の種類のパキポディウムと比べると幹の部分が凄く細く感じます。

同じパキポディウムでも結構、違う物なんですね。

 

2021年9月28日 加湿再開で12個目が発芽

パキポディウム・バロニー 発芽

昨日27日にカビても良いかなと思い、ダメ元で蓋をして湿度を上げてみたところ1個発芽しました。

 

2021年9月30日 一気に3個発芽 15個目

パキポディウム・バロニー 保湿 発芽

27日から蓋をして加湿を続けています。追加で3個発芽しました。

蓋をしていない時に発芽する種もあれば加湿した途端に発芽する種もあるので、どのタイミングで何をするのが正解か分かりずらいですね(笑

でも24個中15個まで発芽してくれたので大満足です。

この後もしばらく蓋をして湿度高めの状態を維持してみようと思います。

 

2021年10月4日 本葉がやたら赤い

パキポディウム・バロニー 芽が赤い

バロニーに本葉が生えてきたのですが赤過ぎてちょっと怖い。

こんな感じで大丈夫なのか?

 

2021年10月8日 正常か異常かが不明

パキポディウム・バロニー 播種から22日

最近、温室で管理している植物の葉が赤黒くなって枯れるという現象が起きてるので、バロニーも葉焼けしているのではと不安です。

 

パキポディウム・バロニー 実生 芽

こんな赤黒かったり

パキポディウム・バロニー 実生 芽

葉脈が赤かったりと、まぁ色々具合悪そう。。

他の植物の調子が悪いので温室の環境は見直すとして、バロニーはコレが正常なのか異常なのかが分かりません。

少し様子を見ていこうと思います。

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